アルミニウムやタンタルなどのバルブメタルがアノード酸化によって皮膜ができる機構。不働態皮膜内部の電場強度に対して指数関数1)的にイオン電流がながれます。定電流でアノード酸化したとき内部の電場強度が一定に保たれるため時間に比例して電圧と皮膜膜厚が増加します。皮膜膜厚と電圧の比はアノダイジングレシオ2)と呼ばれ水溶液中でアルミニウムをアノード酸化した場合は約1.4nm/Vです。固体内のイオン移動はは空孔の移動となります。
1934年にガンターシュルツらが実験的に見出し3)、1948年にカブレラらが理論的にモデル化しました4)。その後、種々のモデルが提出されています5)。
【関連講義】卒業研究(C1-電気化学2004~),不働態皮膜の生成機構6)
( 1)  指数関数,  図形. ( 2)  アノダイジングレシオ( ) [ メートル毎ボルト]. ( 3)  電流密度は電場強度の指数に比例(高電場機構)A. Gunterschulze, H. Betz, Z. Phys., 92,367( 1934). ( 4)  金属酸化の理論F.Mott, N.Cabrera, Rept.Prg.Phys., 12,163( 1948). ( 5)  バルブ金属表面に生成するアノード酸化皮膜の構造と性質清水健一、幅崎浩樹、P.Skeldon, G.E. Thompson, G. C. Wood, 表面技術, 50,2( 1999). ( 6)  結果と考 > 論文・報 > 刊行物@ > リチウム > 不働態皮膜の生成機構, リチウムイオン二次電池アルミニウム集電体について(2003)仁科 辰夫, 卒業研究(C1-電気化学, 講義ノート, ( 2003).
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