項目 | 値 |
題目 | アノード酸化 |
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親単元 | |
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説明 |
主にアルミニウム、ニオブ1)、タンタル2)などの金属を電解液中でアノードに分極して酸化するウェットプロセス(表面処理)です。
アルミニウム3)をアノード酸化するアルマイト加工などは有名4)。電解コンデンサの誘電体の生成にも使います5)。
アルミニウムをアノード酸化するときの電解液には、ホウ酸、リン酸6)、アジピン酸アンモニウム7)などの緩衝性のある水溶液を使うとバリアー型の酸化皮膜が生成します。このときのイオン電流は電場強度に対して指数的に増加するため高電場機構と呼ばれています。
2Al + 3H2O → Al2O3 + 6H+ +6e-8)
アルミニウムは酸に溶解するので硫酸9)やシュウ酸を使うとポーラス型の酸化皮膜となります。
Al2O3 + 6H+ → 2Al3+ + 3H2O10)
皮膜中に取り込まれた電解質アニオンは、移動の方向がアニオンの種類によって異なります。
ホウ酸イオンは皮膜をほとんど移動しないが、リン酸イオンは皮膜内側に、クロム酸イオン、モリブデン酸イオン、タングステン酸イオンなどは、皮膜外側へ移動します。
アノード酸化可能な最大電圧をブレークダウン電圧11)といいます。
12)13)
【関連講義】
無機化学実験,工業化学への応用(電池,アノード酸化,エッチング,ディスプレイ)14)
【関連書籍】
陽極酸化皮膜の化学15)
電解法による酸化皮膜(目次)16)
( 1)    Nb2O5 + 10 H+ + 10 e- ←→   2 Nb + 5 H2O, = -0.65 V, ( 反応- 224). ( 2)     + 10 H+ + 10 e- ←→   2 Ta + 5 H2O, = -0.81 V, ( 反応- 360). ( 3)  アルミニウム,  Aluminum,  Al, = 26.9815 g/mol, ( 化学種). ( 4)  ミュージ > その他の > 金属バット, その他のアイテム泉 多恵子, 科学ゼミⅡ, 講義ノート, ( 2008). ( 5)  > 電解法による酸化皮膜(目次)馬場宣良, 電解法による酸化皮膜, 槇書店, ( 1996). ( 6)  リン酸,  ,  H3PO4(aq), = 97.99522 g/mol, ( 化学種). ( 7)  アジピン酸アンモニウム,  ,  NH4OOC(CH2)4COONH4, = 180.20404 g/mol, ( 化学種). ( 8)   3 Al + 2 H2O →    Al2O3 + 6 H+ + 6 e-, ?, ( 反応- 477). ( 9)  硫酸,  sulfuric acid,  H2SO4, = 98.07948 g/mol, ( 化学種). ( 10)    Al2O3 + 6 H+ →   2 Al3+ + 3 H2O, ?, ( 反応- 478). ( 11)  ブレークダウン電圧( breakdown voltage) [ ボルト]. ( 12)  > 表面処理と機能化山下正通、小沢昭弥, 現代の電気化学, 新星社, ( 1990). ( 13)  > 表面処理工学 基礎と応用(目次)表面技術協会, 表面処理工学 基礎と応用, 日刊工業新聞社, ( 2000). ( 14)  無機化学 > 工業化学への応用(電池,アノード酸化,エッチング,ディスプレイ)(2009), 無機化学実験(2009)仁科 辰夫, 無機化学実験, 講義ノート, ( 2009). ( 15)  > 陽極酸化皮膜の化学日本化学会編, 分子レベルからみた界面の電気化学, 東京大学出版会, ( 197). ( 16)  > 電解法による酸化皮膜(目次)馬場宣良, 電解法による酸化皮膜, 槇書店, ( 1996). |
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